たとえば、今の私を好いてくれる友達がいたとして、


その友達は、『本当の私』を見て友達になってくれたわけじゃない。


じゃあ、それは『本当の友達』といえるのかな?


親は私を生んだわけだから『本当の親』だけど、


その親子関係に『本当の親子の絆』なんてないと思う。


じゃあ、本当の自分をさらけ出したら解決、


ってわけにもいかないんだよ。


本当の私は、わがままで、弱くて、地味。


そんな私なんか誰にも好かれないでしょ。


そんな私を知ったらみんな離れていく…それが怖いの。


今の自分に満足できる方法を


なんとか模索してるけど、


それはいつ見つかるだろうね?


「あ、風波さん!おはようー」


同級生の水田 ゆいなちゃんに声をかけられた。


登校途中で会うのは珍しいなぁ。


「おはよ。昨日の課題できた?結構、難易度高かったよね」


「うんうん。でも、風波さんなら楽勝でしょ?すごく頭いいもん!」


「そんなことないよー。いつもいっぱいいっぱいだよ(笑)」


いつも言われるんだけど、私努力はしてるけど、


そんな、特別頭のいい人ってわけじゃないし、


あまり持ち上げられたくないところなんだよね…