その花の名前は、


「な、何。」

いやいやいやいや、怖いですよ巴衛サマ。
口角上がりすぎでしょ。

「言ったな?」

「はっ?」

え、私なんて言ったっけ?

「俺の側に居てくれるんだよな?」

妖しく笑う巴衛サマ。

……めちゃめちゃ怖いデス

「……うん。」

平然を装う私。
こう見えてもそういうのは得意。

だって今までどのくらいこんな顔をしてきたか。私の素を理解してくれているのはあの2人だけ。

「じゃあこのままでいいんだよな。」

いやいや、なんでそうなんの!
ここは分かったって潔く離すとこでしょ。

「なんでってば?」

段々苛ついてきた。
口調も厳しくなってくる。

「俺の側に居るっつってんだからこのままでもいいってことだろ?」

「…………」

言葉が出ない。
やっぱりコイツは私より一枚上手かも。

「でも今は戻んないと。」

「あれ?」

鬱陶しく思っていた腕がもう離れていた。

「?」

何で急に良い子になんの?
怪しい。

くるり、と後ろを向いて巴衛の姿を探す。

「いねえ、」

ぼそっとでた私の本当の言葉。


ダダダダタダダダッッ

「へ?」

何なのこの音は。
まだ遠い。けど確実にこっちに近づいてきている。


_______________何かヤバイ?

迫り来る恐怖に身体を固める。