その花の名前は、


________ギィィィィッ。

「ひっ」

…絶対この屋上のドア立て付け悪いでしょ。

怖がらせてくれたお礼に一発軽く蹴る。

ガンッ

痛いし、、やっぱ蹴んなきゃよかった。


「南?」

低いけれどよく響く、心地の良い声が私の名前を呼ぶ。

「巴衛くん?」

さっきの見られちゃったかな…?

「そうだよ、来てくれて有り難う。」


嗚呼、そんな風に笑わないで。
私の気持ちを揺らさないで__________

「ううん、大丈夫。でもどうしたの?」

ふわ、と風が私の頬を撫でる。
もう春と言ってもまだ肌寒い。

ふる、とさっきの廊下では違う震えが身体を揺らす。

「こんなとこに呼んじゃってごめんね?」

ほら、またそうやって優しい言葉で私を揺らすの。

『そんな顔やめて。』
…なんて、言えたらこんな気持ちをしなくてもいいのかな?

「大丈夫だって。で、どうしたの?」

「うん。あのね、、」

急に恥じらい出す子猫のように愛らしい男が目の前に、1人。

「なあに?」

小さい子をあやすように優しい声で訊ねる。

「……はあ、やっぱ性格偽んのは怠い。」

_________________んぇ?

誰よあんた?なんて出てきそうになった言葉をギリギリでぐっと耐える。

だって目の前に居る巴衛くんには何ら変わりない。


_____________じゃあさっきのは何よ?