「吹奏楽部元気だねー」
「うん、元気すぎて困るよ〜
うるさいでしょ?」
「ううん! にぎやかですごく楽しい。
誘ってよかった」
「ほんと? よかったー」
ちょいちょい会話が途切れるのが
ちょっと気まずい。
やっぱり吹奏楽部以外の人と話すと
居心地の悪さをかんじる。
吹奏楽部の子は、ずっと一緒にいて
何でも話せる中で
慣れてるから。
「…あのね、優奈ちゃんに
話したいことがあるんだ」
何分かの沈黙を
最初に破ったのは桃香ちゃんだった。
「何?」
「…うん…。あの…」
桃香ちゃんは、いいずらそうにしていた。
そんな風に話されると、
聞いてるこっちが緊張しちゃう。
「私の好きな人の話なんだけど」
えっ。
「いたんだ?」
びっくり。
桃香ちゃんは、こくんと小さくうなずいた。
