大好きな君に、届けるメロディ。




「舞香ってほんとーに山下のこと
好きなじゃないの〜??」



「…もー、いつもその話になるよね…
ないって言ってるでしょ」



「納得いかないー!
美男美女でお似合いなのにな」



「え、あんた山下のこと
かっこいいと思ってんの!?」




盛り上がる会話を笑いながら聞いていた私は
遠くに見覚えのある男子を見つけた。




「あ、山下たちだ」



「え?」



「噂をすれば!」



「あいつら、見かけても声かけるなって
女子がいるとうるさい言うから、
逆に声かけてこようよ!」



「行くー!」




みんなは向こうに走っていってしまった。
私は、浴衣でみんなみたいに
あんなに動き回る元気がないから
桃香ちゃんたちとお留守番。



「あたしお茶買ってくるねー」



「私も!」



「じゃぁ私と優奈ちゃんは
ここで荷物見てるね♪」



桃香ちゃんと一緒に来ていた友達も
お茶を買いにいってしまって
私は桃香ちゃんと2人になった。