再び私をとらえる
唐沢くんの視線————
恥ずかしくて、背けたくなるんだけど。
「…あの、さっきはごめんなさい…」
「…いや…」
「あと、ありがと…」
2人で恥ずかしくなって
うつむく。
「あのね、すっごい嬉しかった!
みんな、私を責めると思ってたから…
ありがとう」
少し早口で言って、
私は演奏席に向かった。
…よかった、お礼言えて。
—————閉会式での結果発表。
6組は、見事優勝した。
山下と、唐沢くんの活躍で。
みんな飛び上がって喜んだ。
転んだ私にも、クラスメイトたちは
優しくはげましてくれた。
転んだときは最悪と思ったけど
今年の体育祭は
すっごくいい思い出—————