唐沢くんは、髪が短めで背が高い。
まだ春だって言うのに、
少しだけ日焼けしてる。



「ねぇ、もしかして、野球部?」



「え? うん」



「何で知ってるのっ?」



「知り合いだったん?」



「野球部って感じする〜」



「何だそれw」




山下がバカにしたように笑う。




「優奈ちゃん意味わかんない〜」



「えー、見た目でわかるよぉ
何か、野球部!って感じの顔?」



「アホか。まじ意味わかんねぇ」



「上原も吹奏楽部っぽい」



唐沢くんが、にこっと笑った。



普通にしてるときの顔は
大人っぽくてクールに見えるのに
子供みたいに無邪気に笑う
唐沢くん。



小さな胸が、とくん、と跳ねた。