…そんな心配は必要なかった。
最初、あんなに飛ばしてたくせに
全然バテない唐沢くん。
「やば! やばいって唐沢!」
「持久力ハンパな……」
「唐沢、野球部辞めて
陸上部にすればいーのに」
「あいつ、短距離もできるよな?」
「運動神経ハンパねぇからな。
サッカーだろーが野球だろーが
バスケだろーが何でもできるよ」
「そういえば去年の球技大会
サッカーで点入れまくってたよな」
「おかしいわアイツの運動神経」
クラスの人たちが話してるのが
耳に入る。
かっこよすぎだよぉ〜〜…。
「ねぇやっぱ唐沢超かっこい〜」
「練習の時から思ってたけど!
顔もかっこいいし運動神経いいしね〜」
ほら、絶対唐沢くんのファンが増えた。
クラスの女子が騒いでる。
「唐沢すごいね、さすがだね!」
「うん!」
私と舞ちんは、唐沢くんに釘付けだった。
