…渡辺くんは、陸上部の中では
あまり速くない方らしく。
しかも運が悪く
第2走者にあたったのが
すっごく足の速い人たちばっかりで。
残念ながら、学年で7クラス中5位だった。
「大丈夫! 次は唐沢だよ!
陸上部顔負けの速さだもん。」
舞ちんが言う。
次は、いよいよ唐沢くん。
「いちについてー…よーい…」
パン!
スタートと同時に
応援の声がとぶ。
「がんばれー! 唐沢ー!」
「唐沢くん!! がんばって!!』
…うわ…。
何、速っ…。
スタート直後から
どんどん他の人と差が開いてく。
「ちょっと、
最初からあんなにとばして
大丈夫なの?」
「絶対あとできつくなるよね…?」
みんなが心配する。
私も心配だよ。
大丈夫かな…
