それから2週間が過ぎ。
今日はもう体育祭当日。
今日は本番だから、朝練があって、
普通の生徒よりも早く来た。
まずは教室から椅子を
校庭の生徒席に運んで
急いで音楽室に行って楽器を出して
また校庭に向かった。
トランペットを持つと
我慢できなくて
すぐに吹き出してしまう私は
軽く音だしをしながら歩いた。
昇降口で、靴に履き替えて
校庭に出ようとしたとき。
「「あ」」
声が重なる。
唐沢くんがいた。
何で? 早っ。
まだ、吹奏楽部以外の生徒は
誰も来てない。
「…おはよぅ…」
気まずくて、小さな声で言った。
「おはよ」
目が合ってるのが耐えられなくて
すぐ目を逸らしてしまう私。
ほんとに私って…だめ。
しゃべれるチャンスなのに
何も話しかけれない自分に落ち込みながら
校舎を出ようとした。