「やーそれにしてもさぁ!
今日のクラス対抗リレーの唐沢さ!!」



「かっこよかったよね〜」




第2音楽室。その日の部活の時間。


個人練習の休憩中、
仲間とおしゃべりをする。


第1音楽室は3年生が使って
第2音楽室が1年と2年の練習場所だから
ここには3年生がいない。




「もー、6組には負けるわ。
あんな速い人がいたら
うちらのクラス勝てない〜〜」



「ねー! 唐沢くん1組にちょーだい??」



「むーりー! 」



唐沢くんの話で今日は大盛り上がり。



「俺は? なぁなぁ俺は?
俺アンカーだったんだけど??」



山下が入って来た。



「いや、唐沢がすごすぎて
それどころじゃなかった」



「てゆーか陸上部より速いって
なんなのー」



「ひでぇーよ! 俺だって唐沢と
0.5秒差なんだからな!
唐沢は運動部だけど、文化部の俺が、だよ?」



「でも唐沢くんの方が
速いんでしょ?」



「そしたらなんでこいつがアンカーなの?
唐沢の方が速いのに」



「山下がゴネたの?」



「なわけ、ねーだろ!!」