「山下ぁー!! いけぇーっ!!」



クラスメイトが、一斉に叫ぶ。


山下も一生懸命走る。



これが練習だということを
忘れるぐらい必死で走る山下。


これが練習だということを、
忘れるぐらい必死で応援するクラスメイト達



山下は、唐沢くんに負けないぐらい
速かった。


小学校が一緒だから、
山下が速いのは知っていたし
山下が走ってるとこは何度も
見たことある。


でも、久々に見るからか
小学校のときよりも
もっと速くなっているように見えた。



「山下も速いねぇー」



舞ちんが言った。




そして、山下は1位のままで
ゴールした。




「やったあ!! 1位だよー!!」



舞ちんとハイタッチして喜んだ。



山下がこっちに向かって歩いてくる。



「お疲れ、山下っ♪」


舞ちんが声をかける。


「今初めて山下をかっこいいと思ったよ」


「ははっ」



ほれるとけがするぜ、っとへらっと笑って
山下は1番後ろの列に並んで、
男子とじゃれていた。