「あれ? 6組、山下もいるじゃん?」
「え? 嘘?」
クラス編成表を見て、春奈が言った。
「気付かなかったの?」
「舞ちんと一緒のクラスになったのが
びっくりすぎて…
それどころじゃなかった」
山下も吹奏楽部。
トロンボーン担当の男子。
他の部活の人には、
かっこいいって言われて
人気者らしいけど…
吹奏楽部の女子には
男子とさえ思われてない。
夏のコンクールの辛い時期とかを
一緒に乗り越えて来た私たちの間には
もう男子とか女子とかそんな壁は
なくなっている。
「よかったね、舞香!!」
「は〜??」
舞ちんと山下は、すごく仲がいい。
私たちは2人の仲をからかってる。
付き合っちゃえばいいのにって。
当たり前だけど、本人たちは否定する。
舞ちんは、ほんとに
山下のことは
何とも思ってなさそうだけど
山下は舞ちんを好きなんじゃないかって思う
何か、山下の態度見てたらそんな気がする。
