教室に戻ると、
舞ちんが声をかけてきた。
「どーしたの? 顔赤くない?」
「え? うそ?」
片手で頬を押さえる。
確かに顔が熱い。
暖房が効きすぎた部屋にいるかんじ?
「何かあったー?」
「別に何も…」
いや、あったけど…
ううん、ちがうちがう。
いつまで気にしてんの…
あんなの…
優しい男子ならよくやるもん。
「ね、優奈ちゃんの前の席の子って
名前なんていうの?」
「桃香ちゃん?
愛川桃香ちゃん」
「へ〜。すっごい可愛いよね」
「だよねっ? 私も思った」
「そ〜か?」
…ん?
「山下!」
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