「ぐっちゃん、桜井っ!」




ある日の、部活の始まる前。




「山下のことで、話があるんだけど
今、いい?」




山下が最近、唯一話をする2人に
声をかけた。



セクションリーダー、そして
山下のトロンボーンファンとしては
山下のことを放っておけない。




3人で音楽室を出て行って
人目につかない
階段の踊り場に行った。




「最近山下の様子がおかしいの、
何でか知ってる?」



「……」




2人は顔を見合わせている。



何でもいいから答えてよ。




「ねぇお願い。何でもいいからさ
山下が最近話してるの
2人だけなんだよ…


セクションリーダーとして
放っておけないから」



「…セクションリーダーとして?」



「え?」