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「ばいばーい!」



「ばいばいっ」



途中紗英と春奈と別れて、
その少し先で彩と別れ
一番最後に残るのは、私と舞ちん。



私は舞ちんと2人になるのを
待っていた。




「舞ちん」



「ん?」



「さっき…舞ちんが山下に呼ばれた時
何話してたの?」



「…あぁ…。」



「山下に私の好きな人
バレてるよね?」



「…うん。『唐沢?』って
聞かれた。
もちろん、『さぁ?』って
ごまかしたよ」



「ありがとう!
…彩も春奈も、声でかいからなー」



「あははっ! でも山下は、
ばらしたりはしないよ。
そんなことするような人じゃないし。

彩の好きな人が山下にバレたときも、
他の人にはばらさないでって言ったら

『バラすわけないじゃん、
そんなことしてなんの意味あんの?』って。
だから大丈夫だよ」



「そっか! ありがと」




少しほっとしたな。



別に、もうここまで吹奏楽部のみんなに
知られたら、
山下に知られてもいいんだけど。



本人にばらさなければ。



吹奏楽部のみんなは、そんなこと
するような人じゃない。