「俺は、なんのためにいるのかわからなくて…何度も何度も忘れようとした。でも、こんなにも好きになったのは初めてで、それに初恋だったから、忘れ方もわからなくて…」

『うん』

「それが1年半ぐらい続いて、高校で怜央に再会したんだ…」

そうか。

恋兔くんも同じ気持ちだったんだ…。

今のアタシと同じ。

「同じクラスになって、あの時の怜央の友達とも会って。口止めしたんだ、怜央が自分で記憶を蘇らせるまで。俺の手で思い出させたかったから…」

『う、ん…』