………コンコン。
部屋のドアをノックされた。
『ミハル……?帰ってるの?』
お母さんの声がした。
あたしは慌てて
ベットからタオルケットを引きずり落として、
顔の汗と涙を拭いて、寝たフリをした。
『何だ、帰って来てるんじゃないの。』
部屋の電気が点く。
目を閉じてても、眩しい。
『ちょっと、何!?あんた、何で床で寝てるの!?具合が悪いの??』
お母さんが近付いてくる気配が分かって、
タオルケットで顔を押さえながら、あたしは起き上がった。
『何でもないよ。眠たかっただけ。』
『一日ふらふら遊んでるからよ。夕ご飯、出来てるから食べなさい。』
お母さんが呆れてため息をついた。
