登録し終えたナカノは携帯を閉じて、テーブルに置き、あたしの発言に驚いた顔をした。
『オレは前から聞きたかったんだけど、教えてくれなさそうな気がして、聞けなかったんだよね。』
『教えないって、…あたしが!?』
『そう。聞いてどうすんの?…とかって言われそう。うかつに聞けないって言うか。』
『何、それ。堅そうってこと!?もしかしてみんな、そんな風に思ってんの!?』
『堅いとかじゃなくってさ、サエジマって、たとえ友達でも、自分から男にアドレス聞いたりしないでしょ?
だから絶対、彼氏以外に教えたりしないタイプだと思ってた。
今、すんなり教えてくれたから、オレちょっとビックリしてるし。』
そう指摘されて、あたしは、妙に納得してしまった。
