『いらっしゃいませ。』
白い清潔なシャツを着たキレイなお姉さんに案内されて席につく。
白いシャツを着てるだけなのに、オシャレに見えるのは何で?
他のお客さんも、大人なカップルとかセレブ風な親子とか、
あたし達が浮いてるのは、まぎれもない事実。
『ナカノ、よく来るの?』
Tシャツにジーンズで気にせず座ってるナカノに、あたしは聞いた。
『よくっつーか、オレ大学生の姉キがいるんだけど、パシリにされて、たまに買いに来させられるんだ。』
メニューに載ってる、おいしそうなケーキの写真を見つめたまま、ナカノが答える。
そんなナカノを見ていると、あたしはちょっと不思議な気持ちになった。
