いつまでも一人で植え込みに座ってるわけにもいかないので、 あたしはため息をついて、ようやく重い腰を上げた。 『じゃあね。』 まだ立ち止まったままのナカノに軽く手をあげて、 目的もないけど、あたしはまた歩き始めた。 『サエジマ!』 何でか、ナカノがあたしを追って来て、隣に並んで歩き出す。 『何?』 『いや、どうせヒマなら一緒に映画観るべって思って。』