それから、あたしの頭は彼女の存在で、いっぱいになった。 テレビを見てても、夕ごはんのカレーを食べてても、 お風呂で顔を洗ってても、タオルで髪を拭いてても。 アツシはどんなコを、 好きになったの? 洗面台の鏡に映るあたしは、昔から何も変わってない。 アツシの背中を追いかけていれば、 ずっと………。 ずっと一緒にいられるって、ただ思い込んじゃってた。 アツシは、もう、子供の頃とは違う景色を、 あたしじゃない人と、見てたんだ。 あたしはアツシにとって どんな存在だったのかな?