私はベットから飛び降りて裸足なのも気づかず夢中で走った。

手術室がどこにあるかも知らないくせにとにかく走った。

5分ぐらい走ってやっと手術室を見つけた。

すると扉の前には涙を流しながら床に崩れる悠斗のお母さんがいた。

「晴夏ちゃん…」

「あの、悠斗は」

私がそういった時『手術中』のランプが消えて扉が開いた。

少しして医者が出てきてこう言った。

「命に別状はありません。ただちょっと伝えておかなければならないことがあります。」

私の朦朧とする頭でもよくない話だと分かった。

「おばちゃん。私も一緒に話を聞いてもいい?」

どんなによくない話でも一番に悠斗のことが知りたかった。