でも…

今日のボールは飛んでくる位置が悪かった。

私はそれに気づいてすぐに叫んだ。

「悠斗、危ない」って。

でも声が思ったよりも小さくてすぐに歓声にかき消された。

もう一度叫ぼうとしたけれどその時はもう遅かった。

バシンッ

という音と共に悠斗が倒れこんだ。

私の頭は真っ白になった。

みんなが悠斗の周りに集まっていて悠斗が運ばれていくのをただ呆然と見つめることしか
できなかった。