私たち青嵐高校の野球部はそれなりに強い。

だから今ここにいる。

けれど今回の相手校は最強チームという噂が私たちの住む田舎町まで届いている。

どうして運悪くこんなチームとぶつかってしまったんだろう…。

そんなことを考えていたら無意識にまたため息が出た。

「晴夏ー。どうしたのさっきからため息ばっかりついて」

隣に座っている親友の北乃 結美が心配そうに声をかけてくる。

「あーなんでもない」

私はそういってできる限りの笑顔を結美に向けた。

そうこうするうちにバッターは三番、本城 弘貴。

田舎町で子供が少ないため小学校からずっと同じだ。

弘貴がんばれ。

心の中で応援する。