「ファイトー」

ついに始まった今日の大会。

野球部にとってかなり大事な大会だ。

この試合に勝てば甲子園の切符を手にすることができる。

グラウンドにいつもに増して緊張が走った。

大切な一球目、ピッチャーは相手校。

ピッチャーが振りかぶると一気に観客席が沈黙に包まれる。


投げた…。

と同時に相手校の歓声が沸き起こる。

「ストライーク」

審判員の人の声が響き渡る。

 はぁ…。

思わず私はため息をこぼした。