蜃気楼に恋をした

 

 ようやくはっきりしだした意識と視界の隅に、普段は腹が立つくらいへらへらしている母親の目が真っ赤に腫れあがっているのと、母親と同じくらい笑顔を絶やさない父親が見た事無いくらい険しい表情を浮かべているのが見えて。