先生に逢いに行く。

私は皆に混じって

ホットケーキを売った。


若者の見せる笑顔は
昔の自分たちを見ているようで
懐かしくて心地よかった。


『いらっしゃいませぇ〜』


普段校則を破ったり
教師に刃向かう生徒でも

こんな時は大人しいんだ。



『ねえ？私ちょっと
職員室で仕事が少しあるの。
皆たのしんでね？』


私はそう言って、店を出た。


ーガラッー、

職員は各ホームルームに
つきっぱなしなのか、

職員室は、がらり。


でも、工藤先生は
自分の机でうなだれていた。



『先生？クラスみないでいいんですか？』


私は先生に声をかけた。


『ん？ぁあ。後で。』

先生は少しだるそうに答えた。


『せんせ？具合わるいんですか？』



『ん、少し。』

そういえば顔が赤い気が、



私は恐る恐る先生の額に
手を当てた。

先生の額は熱を帯びていた。


『先生！すごい熱！！』


『んあ？やっぱ？』



『先生！帰らなきゃ！！』


私はすぐに校長に事情を話し
先生と早退した。



今日に限って


車で来ててよかったと、

心から思った。


先生を助手席に乗せ、

先生の家まで運んだ。