『私は親不孝者です。』
『そんなことないだろ?』
『いえ、二年もたったのに、
私は お墓に行ったことがないんです。
なんだか、怖くて。』
『怖い?』
なんだろう。泣きそうだ。
もう、二年もたってるのに。
いや、二年しかたってないんだ。
『父と母がなくなったって事
分かっているようで
分かってないんです。』
『うん、』
『私は、中学校のころ
反抗して両親を困らせました。
結局両親をしなせた。
親不孝者です』
不意にこみ上げる涙を必死で
堪えたけど、
ポロリと一粒、
涙が出たというより
涙が溢れたといったほうが
いいだろう。

