先生に逢いに行く。

先生に

私の両親が死んだ事を

話そうとおもった。

そして、家にあげた。


『座ってください。』


『あ、あぁ。』



『珈琲でいいですか？』

『あぁ。』


高校の時、先生はいつも
昼休みに缶コーヒーを
飲んでいたっけ。



『どうぞ。』

『ありがとな。』



わたしは珈琲を飲んで
一息つくと

息をまた吸った。


『あのね、先生、
どこから話したらいいか。』


『どこからでも、
話しやすいところからで
いいぞ、』


先生は静かに私の目を捉えて
言った。


『私が大学生の時、
私はその時学校にいたんです。
母と父は日帰りの温泉旅行に
二人で出かけてました。』


ーりいこ！！早くおきなさい。ー

ーママとパパ、遅くなるからね？ー


ー分かってるって〜。ー


『帰りの車で、高速道路で
事故にあったんです。
お母さんが運転中に
持病の心臓発作が出て、』



ーりいこ？
また朝ごはん要らないの？ー


ーうん。時間がね。ー


ーお母さんね、りいこが、
食べないと心配で、
ねれないんだからねー？ー


『そうか。』



『二人とも死にました。
私 お母さんの作った朝ごはん
食べてなかったんです。

時間がないってだけの理由で。

私は学校で貧血で何度も倒れたんです。
母は心配してくれてたみたいで、

夜もあまり寝れてなかったみたいで。』


『うん』


『私のせいで、母の心臓には
ストレスがのしかかってたのかも
しれません。

母は桜が咲いている頃
父と共に亡くなりました。

二年前です。

二年前の今日です。』




『き、今日？』