先生に逢いに行く。



友達なんてひとりにならないための
道具でしかなかった。

孤独から身を守るための道具。

『おいっ!羽鳥?聞いてるか?』

『あー、まあ。』

私はだるそうに答えた。


私が中学3年の時、
工藤先生は担任だった。

『まあってwお前なあ。』

『はあ。』

『お前、なんで友達
泣かしたんだ?って。』

『だから、言ったじゃん?
友達なんかじゃないって。』


反抗するわたし。

『俺はなあ、沢山助けられた
ダチはさ、一生もんだぜ?
絶対に裏切っちゃダメだよ。
お前にとって鈴木は友達
じゃないの?』

『じゃねえよ。道具だよ。
裏切っちゃダメ?笑わせんな。』




その言葉に先生は
泣きそうな目をした。
あの時、工藤先生は
今の私と同じように
新米だった。


『何があって、
何が、羽鳥をそうさせたんだよ。』





ーーー中3 思い出ーーー