先生に逢いに行く。

ーバタンー

玄関のドアが閉まる。



ーええ、今日は居ないみたいですねー


私はとっさに、嘘をついた。


親なんてもう居ないのに、
この世を去ったのに、


『亡くなりました』

そう口に出せば

先生を心配させる気がして

言えなかった。


そう口に出せば

なにかが溢れ出しそうで

言えなかった。