『相変わらずだな。』
車内で先生の優しい声が響いた。
『いえ、あの頃とは
ちがいますよ?』
私は緊張を、隠して
はなした。
『まさか、羽鳥が本当に
教師になるなんてな、
俺ビックリして、』
『はい、私もあの頃
こんな自分、想像してませんでした。』
『なんで、教師になろうと
おもった?』
ー先生にあいたくて。ー
ー先生と生徒って関係を
捨ててしまいたくてー
『先生の背中を、追ってきたんです。
先生に沢山教わって、
先生のようになりたい。
そう思ったんです。』
私は答えた。
嘘はついてない。
先生は私の青春の光だったから。
先生のいう言葉の一つ一つを
かみしめていたあの時。
私は、先生に追いつきたいと
おもったんだ。
だけど、
ただ先生にあいたい。
そんな不純な理由は
隠したんだ。

