しーちゃんが立ち上がる。

「いちぎ、久しぶりに部活動、しようよ。」

久しぶりと言うか、僕の記憶力が及ぶ範囲では部活動なんかしたことは無いと思うけど。

「ようこ先生の、お葬式に行こう。」

機嫌が良いしーちゃんはやっぱり、無茶苦茶だ。思考回路を一度でいいから見てみたい。きっと僕にはない絶対的な何かが彼女には備わっているに違いない。

「でもしーちゃん、学校はどうするんだよ?今日普通に授業あるだろ?」

訊くだけ無駄だと、理解はしていたけれど、所詮それは理解ができるだけの範囲。

「サボりは学生の最も重要な任務のひとつだよ、いちぎ。」

ねぇしーちゃん、やっぱり君は何か根本的な事を間違っているよ。なんて、言えるはずも無いし、もしもそう言えたとしても彼女が僕の言う事を素直に聞いてくれた事なんか一度も無いんだ。だから僕は何も言わずに、しーちゃんに従うしかない。だって君の暴走に少しでもついて行けるのは僕ぐらいしかいないだろう?しーちゃん?