最後の雨

ねえ


そのときまで


恭介


この手を話さないでね









その後私と恭介は病院に戻った。


先生はあわててわたしたちに駆け寄り、このままいなくなっちゃうかと思ったといっていた。


大丈夫だよ先生。



私たちは逃げないよ。






「可代、もう遅いから寝れば?」



同じ病室のひとたちはもう寝ている時間、私はベッドの上のランプをつけて小声で話し合っていた。



「ずっと手握ってくれてるならいいよ。」


いたずらな笑みを浮かべて私が言うと、恭介はしょうがないなとため息をついて手を握ってくれていた。




暖かさの中にぬくもりがある。


たくさんの思い出を私は欲張りだから


全部天国に持っていってもいいかな?


天国であなたを待つエネルギーにするから




あなたと過ごしたこの一瞬一瞬を大事に生きてきたんだよ