最後の雨

「ずっと……ずっと可代がいなくなっちゃうことだけを考えていたんだ。」


「うん」


私は砂浜に膝を抱えて恭介のとなりにいる。


恭介はあぐらをかいて考え込むようにそこにいる。


私たちはたくさん泣いた。

あの頃は子供だったね。

なんて台詞はいらない。


私たちには抗えない運命が迫っているから。


だからせめて今は泣いて。
一緒に泣いて………




「可代がいつかは…って思うと目の前が真っ暗になるんだ…。でも受け止めなきゃって思うたびに苦しくてさ。」



「うん…」



「そんな時先生が言ったんだ………」



そこで恭介は言葉を濁した。


とても恭介は苦しそうに顔を歪めている。