最後の雨

「帰ろうか」

恭介はそういって車の窓を閉めた。

六月といってもさすがに雨の海は寒かった。


病院にもどると恭介はバイトがあるからと行ってしまった。






私たちが出会ったのは恭介が高三で私が高一のときだった。


もう三年がたった。


私は高校を中退して入院生活を送っている。


今恭介は大学に行きながらバイトをして、こうやって雨の日や空いている日に来てくれる。



入院した最初のときは恭介は毎日のように来てくれた。


でも私が断った。


絶対私は恭介の人生を台なしにしたくなかったから。