「苗字は知ってるよ。夏樹君だよね、下の名前は?」 「………」 「…えっと、苗字だけでも問題ないかな?ははは…」 控えめに笑う顔を見て、ふと先日の光景が脳裏によぎった。 風紀の腕章を付けて、校門に立っていた男…もしかしてこいつじゃないか? 見たことがあるような気はしていたが、どうやら前に門で見かけたらしい。 俺がそんなことを思いだしていると、折笠と名乗った男は百花に向き直り、少し言葉を交わしてから去っていった。