こらえる必要性が分からず口を開かない海斗を少し首をかしげて見つめたしるふは、気を取り直したように
「お兄さんさ、昨日の人、だよね?」
その言葉に、ふと視線を向け、記憶を手繰る
昨日、と言えば山の中である組織のやつらを蹴散らし、奴らの乗っていた馬を自由にしてやり、町まで下りるのが面倒くさくて野宿をしていたはず
そして、満月に眠れず、散歩した…
「…お前、昨日の、女…?」
昨日山の中でくるくると舞い踊っていた少女が思い当たる
海斗を見ても怖がることなく笑顔を向けてきた変な女
「あー、覚えてなかったでしょ。私は一目でわかったのに」
なんか不公平ー
と口をとがらせる少女に探るようにふと瞳を細める
普通なら魔族であることが一目でわかるはずだ
海斗ほどの力を持つものならば、そうそう感じられない力はない
けれど、この少女に関しては、どのような力を持っているのかが全く視えない
隠している、ということも考えられるが、海斗が惑わされるほどの力の持ち主はいないだろう
世界が認識していない魔族はたくさんいるだろうし、その中で強い力を持つものが生まれても全く不思議ではないが、だからといって海斗の力を超えればあいつらが黙っていないだろう
なぜ、
そう考えて、ふと彼女のまとった風が思い出される
「お兄さんさ、昨日の人、だよね?」
その言葉に、ふと視線を向け、記憶を手繰る
昨日、と言えば山の中である組織のやつらを蹴散らし、奴らの乗っていた馬を自由にしてやり、町まで下りるのが面倒くさくて野宿をしていたはず
そして、満月に眠れず、散歩した…
「…お前、昨日の、女…?」
昨日山の中でくるくると舞い踊っていた少女が思い当たる
海斗を見ても怖がることなく笑顔を向けてきた変な女
「あー、覚えてなかったでしょ。私は一目でわかったのに」
なんか不公平ー
と口をとがらせる少女に探るようにふと瞳を細める
普通なら魔族であることが一目でわかるはずだ
海斗ほどの力を持つものならば、そうそう感じられない力はない
けれど、この少女に関しては、どのような力を持っているのかが全く視えない
隠している、ということも考えられるが、海斗が惑わされるほどの力の持ち主はいないだろう
世界が認識していない魔族はたくさんいるだろうし、その中で強い力を持つものが生まれても全く不思議ではないが、だからといって海斗の力を超えればあいつらが黙っていないだろう
なぜ、
そう考えて、ふと彼女のまとった風が思い出される

