こちらも姿は見えないが、九尾だ
声がするというより、頭に直接響いてくる
だから周りには聞こえていない
「いや、はずれだな、この町は」
だからとっとと出るぞ
そう言って迷うことなく街の出入り口に向かう海斗の背後を、二つの気配が隙間をあけることなく続く
商店が立ち並び、朝もそろそろ昼になろうとするこの時間になれば町はだいぶ活気づいている
その中を進んでいると
「突風?」
ふと魔力の気配を感じて海斗は後方を見る
遠くの方で「うわっ!」「なんだ!?」といった驚愕の声が上がっている要因は、たぶん今感じた魔力
だが、
「随分と力が強いようだが…珍しいな」
再び白眉の声が響く
ああ、と生返事をしながらも海斗の意識はくまなく周囲を探り、発生のもとを特定しようとする
「速いな」
気配を捕えようにも相手は風
なかなか捕まえることができず、海斗は少し腹立たしげに瞳を細めた
声がするというより、頭に直接響いてくる
だから周りには聞こえていない
「いや、はずれだな、この町は」
だからとっとと出るぞ
そう言って迷うことなく街の出入り口に向かう海斗の背後を、二つの気配が隙間をあけることなく続く
商店が立ち並び、朝もそろそろ昼になろうとするこの時間になれば町はだいぶ活気づいている
その中を進んでいると
「突風?」
ふと魔力の気配を感じて海斗は後方を見る
遠くの方で「うわっ!」「なんだ!?」といった驚愕の声が上がっている要因は、たぶん今感じた魔力
だが、
「随分と力が強いようだが…珍しいな」
再び白眉の声が響く
ああ、と生返事をしながらも海斗の意識はくまなく周囲を探り、発生のもとを特定しようとする
「速いな」
気配を捕えようにも相手は風
なかなか捕まえることができず、海斗は少し腹立たしげに瞳を細めた

