ふわりと風を操って水の渦をかわしたしるふの隣にいた海斗が、右手に魔剣を呼び寄せて、水を一掃する
水は形を持つように割れ、地面に吸収されていく
立て続けに攻撃しようとした少女の動きを読んで、海斗が軽く魔剣をふるう
空気がふわりと凪、目に見えない渦が少女を直撃する
途端、ぼっと音を立てて少女の体が炎に包まれる
オレンジと赤のコントラストの猛火に包まれて、少女は、いや少女に宿る”本性”は声にならない悲鳴を上げる
「…海斗」
ふわりと地に足をつけたしるふが、静かに海斗の名を呼ぶ
それが合図だったように少女の体を包んでいた炎が一瞬にして消える
倒れこむ少女をしるふは抱き起す
そっと汚れたほほを撫でる
さらさらと風が吹くほどに灰と化して消えていく少女を、しるふは抱きしめた
「…なんで…!!」
普通、こんな小さな子供が本性を暴走させることなどありえない
生まれてからしばらくは本性は眠っている
その間に忠誠者を探すのだ
本性が目覚めるのは、個人差こそあれど15歳前後
力が強ければ目覚めるのが速い傾向もあるようだが、こんな10歳にも満たない少女の本性が暴走するなどありえない
水は形を持つように割れ、地面に吸収されていく
立て続けに攻撃しようとした少女の動きを読んで、海斗が軽く魔剣をふるう
空気がふわりと凪、目に見えない渦が少女を直撃する
途端、ぼっと音を立てて少女の体が炎に包まれる
オレンジと赤のコントラストの猛火に包まれて、少女は、いや少女に宿る”本性”は声にならない悲鳴を上げる
「…海斗」
ふわりと地に足をつけたしるふが、静かに海斗の名を呼ぶ
それが合図だったように少女の体を包んでいた炎が一瞬にして消える
倒れこむ少女をしるふは抱き起す
そっと汚れたほほを撫でる
さらさらと風が吹くほどに灰と化して消えていく少女を、しるふは抱きしめた
「…なんで…!!」
普通、こんな小さな子供が本性を暴走させることなどありえない
生まれてからしばらくは本性は眠っている
その間に忠誠者を探すのだ
本性が目覚めるのは、個人差こそあれど15歳前後
力が強ければ目覚めるのが速い傾向もあるようだが、こんな10歳にも満たない少女の本性が暴走するなどありえない

