神龍と風の舞姫

祭りのメインである踊り子大会は大盛況のうちに終わった

出場者300人

それぞれがバックでオーケストラの演奏のもと思い思いに踊る

チームで参加する者もいれば、しるふのようにシングルで踊るものもいる

踊りのテンポもそれぞれだ

ひときわ目を引いたのが、風の舞姫とうわさされる少女

眺めのブラウンの髪が風と共にふわりと舞う

まるで舞い上がる花びらが目に見えるように優雅なその舞は、決して目を離すことを許さない

魅惑的な笑みと美しい指先は会場の時を止める

決して目立つ衣装を着ているわけではないのに、ほかのことを考えるのを許してはくれないのだ、彼女の舞は

そうやっていつも会場を引き立てた後、ふわりと姿を消す

彼女に直接接触できたものは一人もいない

それもそのはずだ

風の舞姫には、強力な用心棒、海斗・ディフレンドがついている

今日も優勝を決めた風の舞姫は、賞金を受け取り、会場が沸き立つ中、気が付くと姿を消していた