神龍と風の舞姫

こうやって真夜中に舞うしるふとそれを何とっもなしに海斗が眺めるのは、一緒に旅を始めたころからのお決まりだ

しるふが何か言ったわけではないけれど、気が付くと海斗がいる

しるふが眠くなるか踊りつかれるまで海斗はただそこにいてくれる

それが、少しうれしかったり、気恥ずかしかったり

決して言葉が多い海斗ではないけれど、目に見える優しさも少ないけれど、それでもそうやってそばにいてくれる、手を差し伸べてくれる海斗だから、きっと忠誠を誓ったのだ

たとえ、周りが何と言おうとも、海斗が望むなら忠誠者で居続ける

そう決めた

たぶん、もう戻れない

あの平凡な生活には

でも、後悔はしない

一人より、二人のほうが楽しいから

寂しさがまぎれるから


たとえ、この先、何が起きようとも…