神龍と風の舞姫

別に取って食うわけではないのだから、こちらとしては無意味に恐れられるのは心地がよくない

だから神は人の前には姿を見せない

力を持った種族ともあまり仲がいいわけではない

お互いに力を持っているからどちらが強いのかと争いになりかねない

本性を持つ種族と神とは全く別の生き物であるから、争うこと自体が間違っているのだけれど、彼らはより強さを求め、権力をぶつけ合う

人間と本性を持つ神龍族のような種族、そして、神

この三つの生き物がそれぞれに住み分けているのが今の世界だ

この三者は、利害の一致をした時のみ協力するが、それ以外はお互いに干渉しない

それがもっとも平和で、平穏を保つことにつながるのだ

ただ、時々、神に好かれるものもいる

人間では、巫女、神に召されし子と呼び、あがめる

そして、海斗もまた神々と比較的仲の良い少年だった

海斗の力が下手すれば神をも超えるといううわさが流れ、神々が興味を持ったというのもあるが、何より、海斗の物怖じしない、周りに流されない性質を神々たちは気に入っているようだ

海斗も人間やほかの力を持つものと話しているより、神たちを離していた方が楽だったり、楽しかったりする

海斗が街に来ると姿を消すのは、余計な争いを起こさないため