山を越えたところにある町は、セントランドに劣らず大きな活気のある町だった
踊り子大会が開かれるということもあり、町はすっかりお祭りムードだ
店が軒先をそろえ、近くの村や里から訪れた人たちが物珍しそうに商品を眺めている
宿もお祭り期間中の予約客でごった返していた
「おー、すごい人!!ね?海斗」
街の入り口でその活気の良さを肌で感じたしるふは、後ろにいつ海斗を振り返る
と、
「…あれ?さっきまでここにいたのに」
一瞬前まで背後に気配を感じていたのに、振り返るとそこには誰もいなかった
きょろきょろと周りを見回してみるけれど、見慣れた青髪はどこにもいない
「まーったく、またひょっこり居なくなったわねー」
しるふは腰に手を当て、唇を尖らせる
きっと海斗のことだからこの人の多さを見て、どこか静かな森の中にでも行ったのだろう
大きな町に来ると海斗が姿を消すのはいつものことで
人々が活動を終えた真夜中にひょっこりしるふの泊まっている宿に顔を出すことがある
気づくといないし、気づくとそばにいる
「ま、いいや。さーそくエントリーして、お店でも見よーっと!!」
海斗がいなくなったことを指的にしていないしるふは、くるっと踵を返し、街の中へと歩を進めていった
踊り子大会が開かれるということもあり、町はすっかりお祭りムードだ
店が軒先をそろえ、近くの村や里から訪れた人たちが物珍しそうに商品を眺めている
宿もお祭り期間中の予約客でごった返していた
「おー、すごい人!!ね?海斗」
街の入り口でその活気の良さを肌で感じたしるふは、後ろにいつ海斗を振り返る
と、
「…あれ?さっきまでここにいたのに」
一瞬前まで背後に気配を感じていたのに、振り返るとそこには誰もいなかった
きょろきょろと周りを見回してみるけれど、見慣れた青髪はどこにもいない
「まーったく、またひょっこり居なくなったわねー」
しるふは腰に手を当て、唇を尖らせる
きっと海斗のことだからこの人の多さを見て、どこか静かな森の中にでも行ったのだろう
大きな町に来ると海斗が姿を消すのはいつものことで
人々が活動を終えた真夜中にひょっこりしるふの泊まっている宿に顔を出すことがある
気づくといないし、気づくとそばにいる
「ま、いいや。さーそくエントリーして、お店でも見よーっと!!」
海斗がいなくなったことを指的にしていないしるふは、くるっと踵を返し、街の中へと歩を進めていった

