王宮の最奥へと続く扉の前で
「しるふ、お前は九尾を連れて地下に行け」
「さっき、色々決断させなかった?ここにきてまた海斗だけで行くの?」
胡乱気に問いかけるしるふに確固たる口調で
「才識者は自分の手の内を明かさないものだ。まだしるふの力をあいつらに知らしめるときじゃない。切り札は多いほど最後に役に立つ」
と淡々と告げる
「だからって!この先に何がどうあるのかもわからないのに!!」
そうやって海斗はいつも危ないところに一人で行くのだ
待たされているこっちの気持ちなど少しも知らずに
「安心しろ。あいつらはまだ俺を殺さない。ついでに殺せない。そこまでの力は得ていないはずだ」
「だからって!!」
「しるふ」
凛とした響きに、しるふは押し黙る
その声には有無を言わせない強さがあった
「わかった。…でも!!かすり傷一つでも作ってみなさい!!ひっぱたいてやるんだからね!!」
ふんとそっぽを向き、風にのってドアの前を右に曲がっていくしるふの背を見送り、その背に続く気配につぶやく
「九尾、頼むぞ」
一瞬、その気配が応じるように立ち止まる
それを見届けると、海斗は一度高くそびえるドアを見上げてからそっとそこに手をかけた
「しるふ、お前は九尾を連れて地下に行け」
「さっき、色々決断させなかった?ここにきてまた海斗だけで行くの?」
胡乱気に問いかけるしるふに確固たる口調で
「才識者は自分の手の内を明かさないものだ。まだしるふの力をあいつらに知らしめるときじゃない。切り札は多いほど最後に役に立つ」
と淡々と告げる
「だからって!この先に何がどうあるのかもわからないのに!!」
そうやって海斗はいつも危ないところに一人で行くのだ
待たされているこっちの気持ちなど少しも知らずに
「安心しろ。あいつらはまだ俺を殺さない。ついでに殺せない。そこまでの力は得ていないはずだ」
「だからって!!」
「しるふ」
凛とした響きに、しるふは押し黙る
その声には有無を言わせない強さがあった
「わかった。…でも!!かすり傷一つでも作ってみなさい!!ひっぱたいてやるんだからね!!」
ふんとそっぽを向き、風にのってドアの前を右に曲がっていくしるふの背を見送り、その背に続く気配につぶやく
「九尾、頼むぞ」
一瞬、その気配が応じるように立ち止まる
それを見届けると、海斗は一度高くそびえるドアを見上げてからそっとそこに手をかけた

