「たまには違うことをしてみようかと思ってな。だが、所詮思考回路など無駄なものよ。おかげでこいつらをいちいち止めねばらならんのが面倒だ」
さて、
と紡いだ言葉が広い室内に消えていく
「ここで海斗に殺されるわけにはいかん。私は退散させてもらうよ。もう必要な情報は手に入ったからな」
ふっと老人が身を引くのと、海斗が炎を放つのはほぼ同時
しかし、放たれた火の龍は、老人に届く寸前のところで軌道を曲げ、横にいた護衛を巻き込み消えうせる
「気が付いたか、さすがだな、海斗。はやりこの手に引っかかるほど間抜けではないか」
消えうせながら面白そうにそうつぶやく老人を、海斗が睨む
ちっ、と悔しげな舌打ちに反応したように残った護衛たちが一斉に飛びかかってくる
が、出現した炎にのみ込まれ、灰と化していく
護衛たちがほぼ黒い塊になる頃
「海斗」
ふっと隣に気配が降り立つ
その声には案じるような響きがあった
「九尾のほうはどうだ」
短い問いかけに出現した白眉は小さく首を振る
「そうか」
頷く海斗の声には驚きはなく、むしろ予想通りだと告げているようだ
さて、
と紡いだ言葉が広い室内に消えていく
「ここで海斗に殺されるわけにはいかん。私は退散させてもらうよ。もう必要な情報は手に入ったからな」
ふっと老人が身を引くのと、海斗が炎を放つのはほぼ同時
しかし、放たれた火の龍は、老人に届く寸前のところで軌道を曲げ、横にいた護衛を巻き込み消えうせる
「気が付いたか、さすがだな、海斗。はやりこの手に引っかかるほど間抜けではないか」
消えうせながら面白そうにそうつぶやく老人を、海斗が睨む
ちっ、と悔しげな舌打ちに反応したように残った護衛たちが一斉に飛びかかってくる
が、出現した炎にのみ込まれ、灰と化していく
護衛たちがほぼ黒い塊になる頃
「海斗」
ふっと隣に気配が降り立つ
その声には案じるような響きがあった
「九尾のほうはどうだ」
短い問いかけに出現した白眉は小さく首を振る
「そうか」
頷く海斗の声には驚きはなく、むしろ予想通りだと告げているようだ

