『葵衣っ。一緒にかえろ?』

『柚華。いいよー。』


私は、松永葵衣。
清秀高校二年生。

そしてこの子は、青山柚華。
同じく清秀高校二年生。

『もぉ、柚華ってほんと可愛いよねー。私が男子だったら惚れてるし!』

『んなことないよー…』


柚華は、ぱっちり二重に小さな唇。
キャラメル色のふわふわしたミディアムの髪。
メイクもナチュラルで、可愛い。

ほんとに自慢の親友。


『そーゆう葵衣だってかわいすぎじゃん。』

『…ないない。』

『葵衣はー。ぱっちり二重にぽってりした唇。栗色のふわふわロングの髪だし、声だって可愛いじゃん。』

私たちは、髪の長さを同じにして、色もおなじにすればほぼ見た目は同じなんだって。
担任がいってた。


けど、私はそんなことはないと思う。
だって、明らかにモテるのは柚華だし。


そんな私にも好きな人くらいいたらなー。


『あ、葵衣。今週末うちに来ない?ママがケーキやいてくれるんだけど、お兄ちゃんと私じゃ食べきれないから、葵衣と弟くんも連れてきてよ!』

『…え、あ、うん。』


柚華は可愛いけど強引なんだよなー。

『とりあえず、またメールするね★じゃね。』


電車で別れて、私は別の電車に乗る。


『ふぁー…』

『プッ。でかいアクビ。』

『あ、悠生。あんたなんでこんなに早いのよ?』

『俺は、優秀だから早くかえっていいの。』


一年のくせに何いってんだか。


『葵衣こそ、今日は部活いいのかよ?』

『私も優秀だからいいの。しかも、姉ちゃんって呼べよ。』


コイツは、松永悠生。
清秀高校1年。

私の弟。
見た目は、キャラメル色の天パ。
チワワのような可愛い顔立ち。

でも、私はコイツが昔から嫌いだ。


『てか、もう降りねーとな。』

『はぁ?うちんちの駅まだ先じゃん。』

『あ、俺今日晩飯いらねーわ。って母さんにいっといて。』


そういっておりていく私の弟はなんなのだろう。


『ただぃまー。』

『あー、おかえり。あれ悠生は?』

『なんか途中で降りてった。夕食要らないって。あ、あと今週の日曜出掛けるね。』

『わかったー。』


私はママにそう告げてから部屋に上がった。

普段着に着替えてベッドに寝転ぶ。
週末のことは明日いえばいっかー。


いつの間にか寝てしまっていた。