ーーーーー 「カナタさ〜んっ!」 休み時間の廊下、誰かが後ろから私の名前を呼んだ。 駆けてきたのは、私の親友の三条アイ。 私を見掛けるといつもこうやってやってくる、犬みたいな女の子だ。 「おはよ、アイ。廊下走ったら危ないよ?」 「えへへ‥ごめんなさい。カナタさんがいたから、つい」 そう言ってはにかむアイは、私の横に並んで歩き出す。