「‥誰それ。知らない」 普段の甘えた声音とは正反対の、つららのように冷たくて鋭い、淡々とした返事。 少し、怖かった。 心臓の音が早くなって、だめだ、だめだって叫んでる。 でも、ここまで言ってしまったなら、最後まで言うしかない。 「それはね‥‥ 私なの」